こんにちは、マイクです。
オシレータ連載も少し間が空いてしまいましたが、前回記事では、RCIが「順位の相関係数」であることを示しました。
■オシレータの数理(1:特徴的な3つの指標を見てみよう)
■オシレータの数理(2:RSIの定義と特徴)
■オシレータの数理(3:一風変わったRCIの定義)
■オシレータの数理(4:RCIは順位の相関係数)
復習を兼ねて、順位の相関係数とは何を意味しているのかを、視覚的に確認してみましょう。
前回と同じチャート例を使います:
【USDJPY】
■15分足
表示されているRCIの期間は14なので、黄色の範囲のローソク足が計算に使われていることになります。
この時、「時刻の順位」と「終値の順位」は以下のようになります:
そしてRCIは、この2つの順位(rank)の相関係数(correlation coefficient)を求めたものなのでしたね。
この「相関係数」の意味をイメージするために、下の図をご覧ください:
この図は、横軸に「時間の順位」を、縦軸に「価格の順位」を取って、14期間のデータをプロットしたものです。
もし、この図で、全てのプロットが赤い線上にあった場合、「時間の順位」と「価格の順位」が完全に一致することとなり、この時、相関係数の値は
RCI=100%
となります。
逆にもし、全てのプロットが青い線上にあった場合、「時間の順位」と「価格の順位」は完全に反対になり、この時、相関係数の値は
RCI=-100%
となります。
今回のデータは、どちらかというと赤い線に沿っているものが多いので、RCIの値は0より大きくなっているわけですね(RCI=50%)。
さて、では、RCIが相関係数であることによって、どのような特徴が生じるでしょうか?
・・・
考えましたか?
まず、相関係数の性質から、価格がRCIの期間にわたって上昇し続ければRCI=100%、下降し続ければRCI=-100%となります。
これはRSIが±100%には現実的には到達しないのと大きく違うところです。
次に、RCIの値は価格の順位のみに依存し、値幅には左右されません。
例えば、大きく下落した後、ごく浅い戻しでも、RCIの期間だけ戻し続ければ、RCIの値は100%となります。
これも、RSIとは対照的ですね。
これらの特徴の結果、RCIは値幅的にはごく浅い押し戻しでも、その状態で時間が経過すれば、非常に敏感に反応するという性質を持つことになります。
この性質は、検出力の高さという意味ではメリットですが、結果的にダマシに遭う危険性も孕んでいます。
この点を補うために、
異なる期間のRCIを同時に表示する
ことがよく行われます。
それによって、「木を見て森を見ず」状態になることを避けているわけですね♪
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