FOMCとECB理事会のポイントは? ~ 対照的な結果が生み出す強い流れ!

こんにちは、マイクです。

昨日は最重要の経済イベントが2つありましたね。

そうです、

FOMC(連邦公開市場委員会)

ECB(欧州中央銀行)理事会

です。

それぞれ日本時間で昨日3:00と20:45に声明文が公表されました。


まず、FOMCですが、重要なポイントを整理すると下記のようになります:

■今回のFOMCのポイント

  1. FF金利を1.75-2.00%に25bp利上げ
  2. 年内の利上げ回数見通しは計4回(前回は計3回)
  3. これまでの「金利を十分に低い水準にとどめる」とする文言を削除
  4. 景気判断を「緩やかな拡大」から「堅調な拡大」へ変更



「1.」の利上げについては、既に市場は完全に織り込み済みでした。

よって、このこと自体は全くサプライズではありません。


「2.」の利上げ回数見通しについては、以前の記事(1), (2), (3), (4),(5),(6) でも何回も取り上げた「ドット・チャート」を見る必要があります。

今回公表されたドット・チャートがこちら:

【2018/06】

そして前回のものがこちら:

【2018/03】

2018年のところを見ると、確かに微妙に上にシフトしています。

その結果、前回は中央値がぎりぎり2.00-2.25%だったのが、今回はぎりぎり2.25-2.50%に上がったというのが実情です。

「利上げ回数見通しが3回から4回に増えた」

と聞くと、凄く大きな変化に思えてしまいますが、本当はこのような微妙な違いだということですね。


さて、「3.」の文言はいわゆる「フォワード・ガイダンス(forward guidance)」と呼ばれていた部分です。

市場を安心させるために、金融政策の先行きを示すものですね。

今回これが削除されたことは、

「もうこんなこと言わなくても大丈夫だよね。」

という自信の表れとも受け取れ、リーマンショック後の危機管理体制からの脱却を示す、まさに歴史的な出来事だったとマイクは考えています。


そしてこのことは、「4.」の景気判断の上方修正にも表れています。

原文では、前回が

economic activity has been rising at a moderate rate

今回が

economic activity has been rising at a solid rate

となっています。

確かに確固たる自信の表れと受け止められますね。


以上のように、今回のFOMCの結果は、数字的なサプライズはほぼないものの、米国経済に対する強い自信を表明した、タカ派的内容だったと言うことができます。


一方のECB理事会の結果はどうだったでしょうか?

こちらも重要なポイントを整理すると下記のようになります:

■今回のECB理事会のポイント

  1. 量的緩和政策を年内に終了
  2. 保有資産の再投資は長期にわたり継続
  3. 少なくとも2019年夏まで現在の金利水準を維持


「1.」は市場の予想よりも踏み込んだ内容であったため、ある程度のサプライズとして受け止められました。

イタリアの政情不安などから、今回の会合で終了を宣言できるか微妙と思われていたためです。

これが発表直後にEUR高の初期反応が見られた理由です。


一方、「2.」は逆に、既に保有している国債については満期を迎えた分も再投資に回して残高を維持するということで、緩和的な状態が今後も長期にわたり継続することを意味しています。


そして、市場に最も大きなインパクトを与えたのが「3.」でした。

来年前半の利上げの可能性さえ考慮していた市場に対し、

「少なくとも2019年夏(の終わり)まで利上げしません。」

というアナウンスは、非常に緩和的なサプライズとなりました。

これが初期反応とは反対に、その後EURが大きく売られた理由です。


以上のように、今回のECB理事会の結果は、量的緩和政策の終了宣言で見た目は引き締め的なものの、利上げが当面ないということを確約した点で、実質的にはハト派的内容だったと言うことができます。


このように、両会合の結果が

米国:タカ派的

欧州:ハト派的

対照的だったために、現在特にEURUSDに強い流れが出ています。


【EURUSD】
■4時間足


FOMC発表時にも一度下値をトライ、なんとか持ちこたえたものの、ECB理事会で1.17前半のレジサポ帯を完全にぶち抜けています。

Universal Splash!】にとっても更に好ましい環境となってきましたね♪


さて、いよいよあと3週間後に迫ってきた

【特別セミナー】指標トレード完全攻略!

ですが、会場と交渉して席を追加してもらったので、あと若干名の参加が可能です!

都合がつかず諦めていたけど、予定が変わって参加できるようになった!という方、まだ間に合いますよ!!


セミナーでは、今日の記事に書いたような、それぞれの経済指標に関する興味深い話題もたくさんお話ししますので、ご参加のみなさんはどうぞお楽しみに♪


では☆

 

「FOMCとECB理事会のポイントは? ~ 対照的な結果が生み出す強い流れ!」への2件のフィードバック

  1. マイクさん、こんにちは。

    いつもブログでの情報ありがとうございます。

    一点確認したいことがあるのですが、

    自身のトレード成績はどこかで公開されていますでしょうか?

  2. massさん、こんにちは☆
    コメントありがとうございます。

    ご質問の件ですが、過去の記事の中で(結果的に)公開しています:
    https://sunnytrader.com/2017/04/29/2849

    ご参考ください。
    よろしくお願いいたします。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です